2011年05月09日
我が家のこと その②
放射性物質と放射線、そして原発に関して、
本当にたくさんの意見・考えがあふれていて、
正直、何が正しく、信じていいのか、わかりません。
子どもがいる我が家にとって、これからもこの土地で、
子どもたちを健やかに育てていけるのか、
それだけが、本当にいちばんたいせつで、気がかりなことです。
原発反対派の人の中でも、
いまの線量だったら、子どもたちも大丈夫、という人もいれば、
いやいや危ない、という人もいます。
東京も危ない、といって転居している方もいるとか。
そして、原発推進派の中でも、
大丈夫という人もいれば、大丈夫じゃない、という人もいる。
付け焼刃と言えども、自分なりに放射性物質と放射能を理解したうえで、
感覚と、これまでのつたない知識とのなか、
一時的になるか、長期的になるかわからないけど、引越しすることを決めました。
うちの息子たちは、少し小さめで、100cmと70cmの幼児です。
地面に近い、ということは、大人より、高い線量にふれることになります。
1歳の次男は、いまはなんでも口にいれる時期です。
石ころやお花、汚染されたものを口にしてしまう可能性は、多いです。
4歳の長男は、お花を摘んだり、松ぼっくりやどんぐりひろいが大好きです。
いまは、お庭にもほとんど出れず、
保育園では、ほんの短い時間ですが庭遊びの時間、そういう遊びができません。
これがいつまで続くのか。
原発が収束されても、積もったものはそこにあり続ける。
放射性物質がある限り、安心できない自分がいます。
震災の少し前、産婦人科の先生と高校の教師との話を聞きました。
いまの30代以下のひとのからだに、変化がみられるというのです。
十代なのに、下腹部が出ている子が増えたこと、
椅子に座っている間、膝を突き合わせてすわり続けれない子が増えたこと、
難産が増えたこと。
これが、ファミコンが普及し始めた時期と重なる、
外遊びをしなくなったことが、関係しているのではないか、
という意見でした。
わたしが病院に勤めていたころ、
整形外科の先生も、おなじようなことを言ってました。
体を思いきり動かすことは、からだを育むうえで、
本当にだいじなこと。
集中力を養う上でも、だいじなこと。
もちろん、運動は室内でもできます。
いまだけなら、それでもいいのですが、
外で遊び、太陽にあたることで、
人間は、ビタミンDを生成します。
日光にあたることは、そういう重要性もあります。
確かに、ビタミンDだけだったら、ビタミン剤をのめば、補えるのかもしれません。
けれど、自分の子ども時代を振り返ると、
外で、遊ぶことで、冒険心や探究心を育み、
学ぶこと、調べること、そんな楽しさも、知って行った記憶があります。
だからこそ、自然のいっぱいあるところで子育てしたいと、
福島県にやってきて、うれしかったのですが、
いまのままだとしたら、
つねに、放射線による晩発障害などを心配しながら、
子どもを育てていくのは、精神的に、わたしには無理だと思ったのです。
放射線が細胞に影響をおよぼし、それを修復するのが免疫力なら、
免疫力を高める生活を、整えることが、
いま、母である自分にできること、とも考えています。
我が家は、もともと和食が基本。
ごはんとおみそしると、お野菜・お豆・海藻・お魚、そしてお肉、
どちらかというと、「茶色い」食事内容です。
長男を妊娠する前からも、気をつけていましたが、
妊娠してからは、なおさら、日本人としての体に合った食事を、
こころがけるように、してきました。
もちろん、かたよりすぎず、でしたが。
そういった積み重ねがあるので、
子どもたちの免疫力を、信じてもいい、という感覚が、
自分のなかに、あります。
だから、あせらず、引越し先を探したり、できています。
(夫は、内心ではハラハラしているかもしれませんが)
これは、あくまで、わたし自身の考えであって、
これが正しい、とか、強要するつもりはありません。
わたしの感覚で、自分のこころの声にしたがって、
そして、夫婦で話し合って、決めたことが、引越しする、ということでした。
がんばって、復興しようとしている福島をはなれることが、
本当に、後ろ髪ひかれるのですが、
そのためにも、夫を残して(笑)、片足をはんぶん残した感じで、
一時避難いたします。
わたしが、福島で得た友人のなかでも、引っ越した人もいますし、
残ることを決めている人も、多くいます。
迷っている人も、います。
たぶん、すべては結果論になるのだと思うのです。
だから、なにが正しくて正しくないか、わかりません。
だからこそ、わたしはわたしとして、
自分の感覚にしたがおうと決めました。
それができる環境に恵まれていることが、本当に幸いでした。
Posted by それいゆ at 02:02│Comments(0)
│震災関連
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